カマンベール丸ごとアヒージョ|シラスとにんにくの簡単おつまみ×合わせる白ワイン

週末、少しだけ手をかけたおつまみが欲しくなったら。カマンベールを丸ごと一個、オリーブオイルでとろとろに焼いたアヒージョはいかがでしょう。難しい工程はいっさいなく、スキレットや小鍋に材料を並べて火にかけるだけ。とろけたチーズにバゲットをくぐらせれば、それだけでワインが進む一皿になります。
今回は、うま味の出るシラスとアンチョビを加え、にんにく・鷹の爪・ローズマリーで香りを立てました。この記事では作り方の工程と、この一皿に合わせたいワインを家飲みの目線でご紹介します。記事の後半では、魚介の代わりにマッシュルームを敷き詰めた別バージョンと、そちらに合わせたいワインもあわせてご紹介します。

材料(2〜3人分)
- カマンベールチーズ … 1個
- シラス(釜揚げ)… 大さじ3ほど
- アンチョビ … 1切れ
- にんにく … 2片(薄切り)
- 鷹の爪 … 1〜2本
- ローズマリー … 1枝
- オリーブオイル … 150〜200ml(カマンベールが半分浸るくらい)
- 塩 … 少々
- バゲット・お好みの野菜 … 適量(ディップ用)
※分量は目安です。鍋の大きさに合わせてオイルの量を調整してください。
作り方
- カマンベールの上面(白い皮)に、十字またはお好みで切り込みを入れます。とろけたときにオイルとなじみ、スプーンですくいやすくなります。
- スキレットや小鍋の中央にカマンベールを置き、まわりに薄切りにんにく・鷹の爪・ローズマリー・シラス・アンチョビ1切れを散らします。アンチョビがうま味の隠し味になります。
- オリーブオイルを、カマンベールが半分ほど浸るくらいまで注ぎ、塩をひとつまみ。
- 弱火より少し強めの火(中弱火)にかけます。油がふつふつしてきたら、油がはねやすいので蓋を軽くのせて10〜15分。チーズがとろりととろけたら完成です。
- バゲットや、さっと茹でた野菜をとろけたチーズとオイルにくぐらせてどうぞ。
※火加減やチーズの大きさで時間は変わるので、様子を見ながら調整してください。
合わせるワイン:脂とにんにくを流す「泡」か「ハーブ感のある白」
とろけたカマンベールの濃厚な脂とコク、にんにくの香り、シラスとアンチョビの塩気とうま味——このリッチな一皿には、口の中をさっぱりとリセットしてくれるワインがよく合います。
いちばんのおすすめは、辛口のスパークリングワインです。きめ細かい泡と酸が、チーズの脂を心地よく流してくれます。カヴァ(スペイン)やクレマン(フランス)など、1,500〜2,500円ほどの本格的な瓶内二次発酵の泡なら、香ばしいニュアンスがローズマリーやにんにくとも好相性。迷ったら泡、はこの一皿でも正解です。
白ワインなら、ハーブや柑橘の香りがある爽やかなタイプを。ソーヴィニヨン・ブランや南フランスの白は、ローズマリーの清涼感と響き合い、にんにくの余韻をすっきりまとめてくれます。しっかりめが好みなら、樽をきかせすぎていないシャルドネも、チーズのコクと釣り合って好バランスです。
意外な選択肢が軽めの赤ワイン。ガメイ(ボジョレー)のような渋みの少ない赤は、とろけたチーズのコクに寄り添いつつ、冷やして出せば夏でも重くなりません。白・泡に飽きたら試してみてください。
マッシュルームで作る別バージョン
同じカマンベール丸ごとアヒージョでも、シラスとアンチョビの代わりにマッシュルームを敷き詰めると、印象がかなり変わります。魚介の塩気とうま味が主役だった一皿が、きのこの土の香りとだしのようなうま味を軸にした、より落ち着いた味わいになります。ローズマリーもアンチョビも入れず、にんにく・鷹の爪・塩だけのシンプルな構成です。

作り方の違い
- マッシュルームは石づきを落とし、大きいものは半分に、小さいものは丸ごと。洗わず、汚れは軽く拭く程度にすると香りが逃げません。
- カマンベールは上面に放射状の切り込みを入れて中央に置き、まわりにマッシュルームを敷き詰めます。みじん切りのにんにくと鷹の爪を全体に散らし、カマンベールが半分ほど浸るまでオリーブオイルを注ぎ、塩をひとつまみ。
- 魚介版と同じく中弱火にかけ、油がふつふつしてきたら、油はねを防ぐため蓋を軽くのせて10〜15分。マッシュルームから水分と香りが出て、オイルがきのこのだしを含んだ状態になります。カマンベールの切り込みが開いて中がとろりとしたら食べごろです。


※分量・火加減・時間は器具によって変わるので、様子を見ながら調整してください。
マッシュルーム版に合わせるワイン
魚介版が「泡か、ハーブ感のある白」だったのに対して、きのこ版は赤ワインの出番が一気に増えます。そして本命は、スペインの赤・テンプラニーリョです。そもそもアヒージョはスペインの調理法で、現地には「チャンピニョネス・アル・アヒージョ(マッシュルームのアヒージョ)」という定番タパスがあります。これに土地の赤——リオハのテンプラニーリョ——を合わせるのは、現地では当たり前の組み合わせ。料理と同じ土地のワインを選ぶ、といういちばん外れにくい考え方がそのまま使えます。
理由はもう一つあります。カマンベールのような白カビのソフトチーズは、テンプラニーリョと相性が良いとされる定番の組み合わせです。クリーミーな脂を穏やかなタンニンが受け止め、チーズの土っぽい風味が樽熟成由来のレザーやたばこの香りと同じ方向で重なります。つまりこの一皿は、きのこ・にんにく・チーズという3つの要素すべてがテンプラニーリョ側に寄っているわけです。
選ぶならクリアンサ(Crianza)クラスがおすすめ。樽感もタンニンも中庸で、にんにくの強い香りとぶつかりません。長期熟成のグラン・レセルバは、香りが繊細すぎてアヒージョの力強さに埋もれがちなので、この一皿には日常価格帯のクリアンサがちょうど良い相手です。
スペイン以外ならピノ・ノワールを。ブルゴーニュや日本のものは渋みが軽くチーズのコクを邪魔せず、きのこの土の香りに寄り添ってくれます。少し冷やして出すと、脂の重さも流してくれます。
白なら、樽をきかせすぎていないシャルドネが好相性。きのことクリームの相性の良さがそのまま置き換わると考えると分かりやすく、とろけたチーズのコクと釣り合います。泡を合わせるなら、魚介版で挙げた辛口スパークリングよりも、少し熟成感のある(イースト香の強い)タイプのほうがきのこの香りと同じ方向を向きます。
このワインが買える店・もっと知りたい人へ
スパークリングをじっくり選ぶなら、シャンパーニュ・スパークリングが充実した東京のワインショップが参考になります。ソーヴィニヨン・ブランや南仏の白はフランスワインに強い店で。マッシュルーム版に合わせるテンプラニーリョ(リオハ)はスペインワインが買える店から探せます。
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