Tokyo Wine Shop Navi

ナチュラルワインとオーガニックワインの違い|ビオ・自然派の意味を整理

更新日: 2026.09.29
ナチュラルワインとオーガニックワインの違い|ビオ・自然派の意味を整理

ワインショップやレストランのメニューで、「ナチュラルワイン」「ビオワイン」「オーガニックワイン」という言葉を見かける機会が増えました。どれも「自然な造りのワイン」を指していそうですが、この3つは同じ意味ではありません。しかも店や人によって使い方が微妙に違うため、「結局どれを選べばいいの?」と戸惑う方も多いはずです。

先に結論をお伝えすると、公的な認証制度があるのはオーガニックワインだけで、ナチュラルワインには世界共通の明確な定義がありません。ビオワインはその中間で、日本ではかなり幅広い意味で使われている言葉です。

この記事では、3つの言葉の関係を1分で分かるように整理したうえで、それぞれの背景、味わいの傾向、そして東京で実際に買えるお店までご紹介します。

結論: 3つの言葉の関係を1分で

まず全体像です。3つの言葉は、注目しているポイントが少しずつ違います。

  • オーガニックワイン:ぶどうの栽培方法に注目した言葉。有機栽培のぶどうから造られ、有機JASやEUオーガニックなどの認証制度が存在する唯一のカテゴリです。
  • ビオワイン:フランス語・イタリア語で「有機」を意味する言葉に由来。本来はオーガニックとほぼ同義ですが、日本では自然派ワイン全般を指す曖昧な言葉として使われがちです。
  • ナチュラルワイン(自然派ワイン/ヴァン・ナチュール):栽培だけでなく醸造まで含めて人為的な介入を最小限にという考え方。法的な定義や公的認証はありません。

関係性としては、多くのナチュラルワインの造り手は有機栽培(またはそれに準じた栽培)のぶどうを使っていますが、認証をあえて取得しない小規模生産者も少なくありません。逆に、オーガニック認証を持つワインでも、醸造は近代的な設備と技術でコントロールされているものもあります。つまり「オーガニック=ナチュラル」でも「ナチュラル=認証済み」でもない、重なり合うけれどイコールではない関係です。

オーガニックワイン: 認証がある唯一のカテゴリ

オーガニックワインは、化学合成農薬や化学肥料に頼らない有機栽培のぶどうから造られるワインです。3つの言葉の中で唯一、第三者機関による認証制度が整備されています。日本の有機JAS、EUのEUオーガニック(ユーロリーフ)のほか、エコセールやデメターといった認証機関・団体が各国にあり、認証を受けたワインはラベルにマークを表示できます。

注意したいのは、認証ごとに基準の範囲や細かい規則が異なることです。栽培方法だけを対象とするものもあれば、近年は醸造工程まで一定のルールを設ける制度もあります。細部は制度によって違うため、「オーガニック認証=すべて同じ基準」とは考えないほうが正確です。

また、有機農法(ビオロジック)をさらに推し進め、天体のリズムや調合剤を取り入れたビオディナミ(バイオダイナミック農法)という農法もあります。こちらはデメターなどの独自認証があり、自然派の造り手に実践者が多いことで知られます。

ビオワインとは? 日本での使われ方

「ビオ」は、フランス語のビオロジック(biologique)やイタリア語のビオロジコ(biologico)、つまり「有機」を意味する言葉の略です。ヨーロッパで「ビオのワイン」と言えば、基本的にはオーガニックワインを指します。

ところが日本では事情が異なります。「ビオワイン」という呼び方に法的な定義はなく、オーガニックワインの意味で使う店もあれば、ナチュラルワイン全般をゆるやかに指す店もあるのが実情です。雑誌やSNSでも両方の意味で使われており、この言葉の曖昧さこそが「違いが分かりにくい」最大の原因と言えるかもしれません。

ですから、店頭で「ビオワイン」と書かれていたら、認証付きのオーガニックなのか、自然派の造りを指しているのか、気になる場合はお店の方に確認するのが確実です。専門店ならワインごとの造り方まで教えてくれます。

ナチュラルワイン(ヴァン・ナチュール): 明確な定義はない

ナチュラルワインは、フランス語のヴァン・ナチュール(vin nature=自然なワイン)の訳語で、日本語では「自然派ワイン」とも呼ばれます。最大のポイントは、オーガニックが主に「畑」の話なのに対し、ナチュラルワインは「畑」と「醸造所」の両方で人為的な介入を最小限にするという考え方だということです。

具体的には、有機栽培などで育てたぶどうを使い、培養酵母ではなく野生酵母(自生酵母)で発酵させる、補糖や補酸を行わない、ろ過や清澄を控える——といった造りが典型とされます。ただし、「自然派ワイン」に世界共通の定義や公的認証はありません。どこまで介入を減らすかは造り手それぞれの哲学に委ねられています。

よく話題になる酸化防止剤(亜硫酸/SO2)の扱いも、造り手によって幅があります。まったく添加しない造り手もいれば、ワインの安定のために瓶詰め時などに少量だけ使う造り手もいます。「ナチュラルワイン=酸化防止剤ゼロ」とは限らない、と理解しておくのが正確です。なお近年、フランスでは一定の基準を掲げる民間の任意規格をつくる動きも出ていますが、世界共通のルールには至っていません。

味わいの傾向と楽しみ方

あくまで傾向としてですが、ナチュラルワインにはぶどう本来の素直な果実味と、出汁のような旨味を感じるものが多いと言われます。無ろ過ゆえのにごりや、微発泡、独特の香りのニュアンスも、欠点ではなく個性として楽しまれています。一方で造り手による振れ幅が大きいのも事実で、クラシックなワインと変わらないクリーンな味わいのものも少なくありません。

選ぶときのコツをまとめます。

  • 言葉より「造り手」と「インポーター」で選ぶ:定義が曖昧な以上、ラベルの言葉だけで判断せず、信頼できる造り手・輸入元を目印にするのが近道です。
  • 試飲できる店で試す:味の振れ幅が大きいジャンルなので、一杯試してから買えるお店だと失敗がありません。
  • 好みを具体的に伝える:「にごり系が好き」「クリーンな自然派がいい」「酸化防止剤少なめを試したい」など具体的に伝えると、専門店ほど的確に応えてくれます。
  • 保管と温度に少し気を配る:繊細なワインが多いので、購入後は涼しい場所か冷蔵庫で保管し、冷やしすぎず飲むのがおすすめです。

東京で買うなら: 専門店で相談するのが近道

言葉の整理がついたら、あとは実際に飲んでみるのが一番です。東京には自然派・オーガニックの専門店が数多くあります。たとえば銀座の銀座カーヴ・フジキ(藤木酒店)は、1889年創業の老舗酒店が2010年に自然派ワイン専門店へ転換したお店で、フランスから日本、ジョージアまで約300種を扱います。オーガニック側の代表格なら、1998年創業のオーガニックワイン専門商社が営むマヴィ 自由が丘店。自社輸入の200種類超をセラーで管理し、グラス試飲(400円〜)で試してから買えます。新宿なら伊勢丹新宿店B2のフェスティヴァンが、テイスティングカウンター(14時から常時6種前後・グラス400円〜)でナチュラルワイン入門にぴったりです。

より多くのお店を知りたい方は、コラム「東京のナチュラルワインショップまとめ」をどうぞ。当サイトでは「自然派」の特徴から探す一覧、「オーガニック」の一覧もご用意しています。定義の違いを知ったうえで飲み比べれば、ワイン選びはもっと楽しくなるはずです。

※掲載内容は取材時点の公式情報に基づきます。変更される場合がありますので、来店前に各店舗の公式情報をご確認ください。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。