ワインの「脚」は品質と関係ない|涙の正体はアルコール度数

グラスを回したあと、内壁をゆっくり伝い落ちる筋。脚(レッグ)、あるいはワインの涙と呼ばれます。「脚が綺麗なワインはいいワイン」と聞いたことがあるかもしれません。
これは誤解です。ただし、まったく無意味というわけでもありません。
正体は「マランゴニ効果」という物理現象
グラスを回すと、内壁に液体の薄い膜が広がります。この膜からアルコールが水より先に蒸発します。すると膜の部分は水の割合が増え、表面張力が高くなる。
表面張力の高いほうが低いほうを引っぱるので、液体が壁を這い上がっていきます。上がった液体はやがて重みで落ちてくる。この上下運動が繰り返されて、筋のように見える——これが脚の正体です。マランゴニ効果と呼ばれます。
だから効いているのはアルコール度数
仕組みが「アルコールが先に蒸発すること」である以上、脚の出方を決めるのはアルコール度数です。度数が高いほど筋は多く、太く、ゆっくり落ちます。
つまりこうなります。
- ❌ 脚が多い=いいワイン——関係ありません。安価でも度数が高ければ脚は出ます
- ⭕️ 脚が多い=アルコール度数が高い——おおむね本当です
そして度数が高いということは、ボディが重いということでもあります。注いだ瞬間に「これは重めだな」と見当がつく、というのは案外実用的です。
もっとも、度数はラベルに書いてあります。脚を眺めるより裏ラベルを見るほうが確実で早い、というのが正直なところです(ラベルの読み方)。
グラスの状態にも左右される
もうひとつ知っておくと語れる話。脚の出方はグラスの清潔さにも左右されます。洗剤の膜や油分が残っていると表面張力が変わり、筋の出方が変わってしまいます。
スパークリングで泡が立ちのぼる筋が決まっているのも同じ理屈で、グラス内壁の微細な傷や汚れが起点になっています。グラスをきれいに保つのは、見た目のためだけではありません(ワイングラスの形で味は変わる)。
結論:眺めて楽しむ分にはいい
脚は品質のサインではありませんが、物理現象として素直に美しいものです。そして「これはマランゴニ効果で、度数が高いから脚が多いんですよ」と言えると、たいてい場が少し盛り上がります。
飲み比べるなら、度数の低いドイツの白と、度数の高いカリフォルニアの赤を並べてみてください。差ははっきり出ます。両方の産地に強い店はドイツ・オーストリアと新世界にまとめています。
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※由来や分類については、広く語られている一般的な説明を紹介しています。制度は改定されることがあり、例外も存在します。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
よくある質問
ワインの「脚」「涙」とは何ですか?
グラスを回したあと、内壁をゆっくり伝い落ちる筋のことです。レッグ、ティアーズとも呼ばれます。かつては品質のサインと言われましたが、現在は物理現象として説明がついています。
脚が多いといいワインなのですか?
いいえ、品質とは関係ありません。脚の出方を決めているのは主にアルコール度数で、度数が高いほど筋が多く、ゆっくり落ちます。安価でも度数の高いワインははっきり脚が出ます。
なぜ脚ができるのですか?
マランゴニ効果と呼ばれる現象です。グラスの壁に薄く広がった液体からアルコールが先に蒸発すると、その部分は水の割合が増えて表面張力が高くなります。表面張力の差によって液体が引き上げられ、たまりきったところで重力で落ちる——これが繰り返されて筋に見えます。
脚から何かわかることはありますか?
アルコール度数の見当がつきます。度数はボディ(口当たりの重さ)とほぼ連動するので、注いだ時点で「重めか軽めか」の予想ができます。もっとも、ラベルに度数が書いてあるので、そちらを見るほうが確実です。